湊町アンダーグラウンドプロジェクト


このプロジェクトは大阪市の中心部JR難波駅近くに眠る「なにわトンネル」と名付けられた手つかずの巨大地下空間を利用したアートイベントである。「なにわトンネル」はパースペクティブがついた全長190mの細長い空間で、幅は25mから9mまで変化する。周囲の開発が進めば地下通路などに利用される計画であったが、実際には直下を走る鉄道トンネル建設のために立体的に生じたヘタ地として10年近く使われず、いわば「封印」された状態であった。偶然この空間の存在を知り、アーティストたちと協働して光によって場所を「覚醒」させる展示とその会場構成を行なった。高橋匡太は1232本の蛍光灯をパースペクティブの焦点に置いて圧倒的な光をつくり、映像ユニット“remo seasaw”と宮本のチームは床・壁・天井・柱・梁に対して区別なく均質で無意味な映像を壁紙のように使ったプロジェクションを行った。歪んだ空間を意識化する試みである。

計画地 大阪市浪速区
開催年 2003年
共同出品作家 高橋匡太
久保田テツ
“seesaw”