鵜住居学校プロポーザル応募案

2013 -


東日本大震災の大津波によって被災した小中学校と幼稚園を高台に移転し再建するコンペの応募案である。気心の知れた2組の建築家と協働することで、子供たちが12年の長きにわたって生活する場をポリフォニックな風景として組み立てようと試みた。高台確保のためには大規模に山を切り崩すことが想定されていたが、まちの背景を担い多くの神社や祠が点在する山並みを守るため、私たちは土木と建築を一体的に考えることで切り土造成を極力避ける計画を選んだ。建築群は木造と鉄骨造を主体とした小さな単位に分割して、改めて全体を細やかに再構成することとした。「森の学校」と呼ぶエリアには、斜面を最小限削り取って普通教室群と児童館・幼稚園を配置した。中学校〜小学校〜児童館〜幼稚園と地形をなぞるように水平に学校空間が連続する。支尾根が建築を適度に分節し、谷毎に「中学校の谷」「小学校の谷」といったクラスターができる。移動により学年毎にあるいは一日の生活の中でも景色が変化していく。対照的に「まちの学校」には、ストリート沿いに200mにわたって特別教室群・管理棟・武道場・体育館などを配置して活気のある街並を形成している。また学校の背後には、まちのどこからでも視認可能な津波避難路のネットワークが広がる。かつて子供たちが「陣屋あそび」で駆け回った森とまちと繋ぎ直すことが、本当の意味での防災力の強化へとつながると考えている。

計画地 岩手県釜石市
用途 幼稚園、児童館、小学校、中学校
延床面積 13,100m2
応募結果 最終選考候補案