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2009 -


大阪市南部の高密市街地に建つ築27年の木造住宅の増改築プロジェクトである。よしず状の面格子というひとつのルールによって、既存の住宅が抱える様々な問題を一挙に解決することを目指した。面格子は文字通りうねうねと襞をつくって必要な機能の改変に応えている。まず建ぺい率制限をオーバーしている既存住宅を減築して、採光と通風のために室内空間と連続する3つの坪庭を設けた。さらに既存の急な階段を廃止し、新たに吹抜け状の明るい階段室を増築した。ここまでがプラン上での改変である。そして合計で約1000本、もし直列に並べると全長2.8kmに及ぶツーバイフォー材がそれら新旧のスペースを巻き取っていく。面格子は面内あるいは面外の両方向に微妙に傾き、また「羽根」の回転角も変化させながら、室内外に関係なく連続して空間をインテグレイトしている。
面格子は単なる意匠ではなく、法規上既存部分に新たに必要とされた耐震補強の目隠しとして機能している。本来は面格子自体を有効な耐震補強として機能させたかったが、法規上それは許されなかった。
そもそもこの増改築プロジェクトは社会的には別の意味合いを持っている。元々、確認申請図書と似てはいるものの相当異なる建築物が建っていた。もちろん検査済証はない。行政では既存建築物について、耐震性の裏付けがないことに加えて特に建ぺい率違反が問題視された。計画実現のため真正面から行政と掛け合った結果、まずは全面解体することを求められた。無理である。紆余曲折があって、耐震補強と減築を先行する「是正」という行為を行うよう指導を受け、まずは既存不適格同等と見なされる状態まで持ち込むことが出来た。そこで改めて確認申請を出し直し、最終的には竣工検査にも合格。大阪市行政として初めて違法建築の合法化を達成した物件となった。

所在地 大阪府大阪市
用途 専用住宅
竣工年 2009
延床面積 115m2
(増築部分 4㎡)
構造 木造
規模 地上2階