本宮ビジターセンター(仮称)建築・展示設計公募型プロポーザル応募案

2007 -


熊野という土地が持つ「感受性」を建築によって編集したいと考えた。そのためには必ずしもヒロイックではなく、風景にとけ込むランドスケープのような建築が相応しいと考えた。長く延びたスロープ状の屋根は自由に登り降りすることができて、熊野古道の起点、あるいは終点として、これから歩くであろう、あるいは歩いてきた山々を望む様々な視点場を提供してくれる。一方、屋根がつくる大きな軒下空間は、熊野本宮大社と大斎原(おおゆのはら)を結ぶメインの動線となり、同時に交流ホールやカフェの一部として雨の日でも豊かな外部空間を提供する。風景を編集する一枚の屋根である。主体構造としては、地元産木材を利用した「透かし積層壁」と呼ぶ新しい構造形式を提案している。それは紀州杉を隙間を取りながら校倉状に積み上げたもので、空間を分節しながら一方で連続し、まるで熊野古道の木漏れ日のような空間の質を再現することができる構造形式である。さらには積層材の隙間を積極的に利用することにより、「透かし積層壁」自体が様々に展開可能なフレキシブルな展示システムとしても機能する。

計画地 和歌山県田辺市
用途 展示場、集会所
延床面積 1,370m2
構造 木造
規模 地上1階