エステ・L

2004 -


大阪近郊の私鉄駅近くに位置する、小さなエステティック・サロンのインテリア・デザインである。ローコストであるため、既存部分は極力再利用せざるを得なかった。しかしながら既存テナントである学習塾の天井高は2385mmと低く、開口の寸法と位置もまちまちであり、さらに施工精度の問題であろうか、不思議なことにどこにも平行な壁がない(バチっている)、という不利な条件に対して、いくつかのコンセプトを立てて解決を試みた。

■多機能ペリメーター
 まずは、さまざまな機能を必要とするエステ個室群を外周部に並べ、カウンター状の窓台の内部に全ての設備配管を納めることにより、床の嵩上げ工事を避けた。さらにそれにともなって、ペリメータ・ゾーンに全ての設備機能と補助的機能、すなわち[A] 配管スペース(給排水、電気、空調)としての機能、[B] 設備機器設置スペース(洗面、トイレ、シャワー、照明、コンセント、エアコン室内機など)としての機能、[C]ダブルスキン(外部に対するディスプレイ、収納、既存外壁のバチリを吸収)としての機能を負わせている。

■「カーテン」ウォール
 ステンレスメッシュ、アルミ蒸着メッシュ布などからなる、複数のカーテンの重層によってペリメーター・サイドのインテリアを構成した。それによって壁仕上げは既存のクロスのまま残し、解体工事費を最小限に抑えている。カーテンによるインテリアは開放、透過、遮光とエステ個室として必要とされるさまざまな使用状態に対応するとともに、厚みをもった外壁としてカーテンの向こう側に外部空間の広がりを感じさせることを意図したものである。

■天井のスーパー・フラット
 エステのゲストにとって最も気になる、したがって最も重要な面は天井面である。天井は、いわば第5の「展開」である。そこで一切の照明器具を設けず、マコレ突板シートを壁面からそのまま回り縁なしで貼り回して、のっぺらぼうの天井としている。これもまた多機能ペリメーターというコンセプトによって実現可能となったものである。

所在地 兵庫県宝塚市
用途 エステティックサロン
竣工年 2004年
延床面積 50m2